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ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点- 佐々木俊尚 著(文芸春秋[文春新書595]、2007年10月発行)
ウェブ2.0の潮流は2004年頃から始まるが、牧歌的な理想主義でボランティア的な美しさはあるもののビジネスには結びつかなかった。しかし、2007年頃からウェブ2.0をビジネスとして成立させることが真剣に考えられるようになった。本書はウェブ2.0の今後の将来性を洗い直して20の論点として構成されたもので、ウェブ2.0をビジネスチャンスにしていこうとする人に役立ちことを念頭にしているとプロローグに書いてある。
ぼくはビジネスチャンスを模索しているわけではないが、おもしろく読めた。あとがきには「本書が、猛スピードで動くネット業界をキャッチアップしていくために、有効なツールとなることを祈っている」とあるように十分なツールとなった。
個々の論点は短く簡潔にまとめられているので非常に読みやすかった。実はぼくは著者の本書の後に出版された『ウェブ国産力—日の丸ITが世界を制す』(アスキー[アスキー新書047]、2008年1月発行)を先に読んだが、出版順に読むべきだったと後悔している。『ウェブ国産力』は本書の発展したもののようで、ここでの論点全体が深く掘り下げられている。わからない言葉も多くて、読みにくかった。しかし、本書を先に読んでいれば、少なくともレコメンデーションやウィキノミクスといった未知の言葉に惑わされずにすんだはずだ。
以下は本書の20の論点。
▼ビジネスとインターネット
- amazon / アマゾンが日本のオンラインショッピングを制覇する
- Recommendation / お勧め(レコメンデーション)とソーシャル(人間関係)が融合していく
- 行動ターゲティング / 行動分析型広告は加熱し、ついには危うい局面へ
- 仮想通貨 / 電子マネーはリアル社会をバーチャルに引きずり込む
▼インターネット業界
- Google / グーグルvs.マイクロソフト 覇権争いの最終決着
- Platform / 携帯電話キャリアは周辺ビジネスを食い荒らしていく
- Venture / 日本のネットベンチャーの世代交代が加速する
- Monetize / ウェブ2.0で本当に金を儲ける方法
▼メディアとインターネット
- YouTube / ユーチューブは「ネタ視聴」というパンドラの箱を開いた
- 動画 / 動画と広告をマッチングするビジネスの台頭
- TV / 日本のテレビビジネスはまもなく崩壊する
- 番組ネット配信 / NHKが通信と放送の壁をぶち壊す
- 雑誌 / 雑誌とインターネットはマジックミドルで戦う
- 新聞 / 新聞は非営利事業として生き残るしかない
▼コミュニケーションとインターネット
- Second Life / セカンドライフバブルの崩壊する時
- ネット下流 / 携帯電話インターネット層は新たな「下流」の出現
- Twitter / 「つながり」に純化するコミュニケーションの登場
- Respect / 「リスペクト」が無料経済を収益化する
▼未来とインターネット
- リアル世界 / 検索テクノロジーが人々の暮らしを覆い尽くす
- Wikinomics / 集合知ウィキノミクスが新たな産業を生み出す
(2008.9.9 記)

