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グーグルが日本を破壊する (PHP新書 518)グーグルが日本を破壊する
竹内一正 著(PHP研究所[PHP新書518]、2008年4月発行)

ウェブについての知識を得ようとすると、グーグルについて書かれた本にあたる。特にグーグルを調べているわけではないが、現在のウェブはグーグルを中心に回っているみたいで、どうしてもグーグルについて書かれた本を読むことになってしまう。最近読んだウェブについての本では以下の2冊がおもしろかった。
フィードがグーグルの世界制覇を阻止する!—ウェブからリアルへの逆流が始まった / 小川浩著
フラット革命 / 佐々木俊尚著

切り口が違うので単純に比較できないが、上記の2冊よりも本書がおもしろかった。それは、問題点がすっきりとしていて理解しやすい記述にあると思う。大変に過激なタイトルだが意味は、グーグルのビジネスモデルが日本の会社を変える、という意味だ。変わらなければ、会社の存続が危ぶまれると予測しているので、やっぱり過激か。

変わらなければ存続が危ぶまれる会社として、テレビ、広告、新聞、携帯電話、そして国外だがマイクロソフトを例にあげて書かれている。グーグルのビジネスモデルとは、グーグルの主たる事業である検索は無料で提供し、その検索キーワードと連動した広告「アドワーズ」で儲けている。これはグーグルで検索をしたときに画面右側に一覧表示される「スポンサーリンク」と書かれた部分だ。

この掲載料金は入札によるもので、掲載希望者本人が決める。広告というと広告代理店によって決められていた、従来のありかたを根本的に変えている。料金だけではない。テレビや新聞に広告を出すために広告代理店と交渉しなければならないが、弱小会社や個人商店にとって大変に敷居のたかいものだった。グーグルはその敷居をなくしてしまった。

なお、Yahoo!Japanで検索した場合も同じような「スポンサーサイト」が表示されるが、こちらはオーバーチュアという会社が運営している。同じようなシステムだが、オーバーチュアとグーグルの関係も書かれていておもしろい。

これらのネット広告が急激に伸びている。近い将来、従来の広告収入に頼っているテレビ、新聞、広告代理店は立ち行かなくなると予想している。アメリカではそれにそなえて軸足をネットに移しているが、日本ではそうではないという。ネット広告が急伸しているとはいえ、従来の広告から見れば微々たる額に思える。どうなるのだろう。ぼくは著者の予測に沿って変化してくと思う。どちらに転ぶにせよ変化は近いうちに現れると思う。

グーグル自体にも存続の危険があると分析している。さらには、グーグル後の検索エンジンとして、著者は日本発の検索エンジン「なずき」に期待を寄せている。現在のウェブの動向を感情を交えることなく、乾いた論理的視点から分かりやすく書かれた本だ。

著者のホームページ

(2008.8.22 記)